むーさんさん(東京都)
投稿日: 2025年1月7日
5点
■国産最上級ともいえるレクサス、その最高峰LSの直下にかつて陣取っていたオーナードライバーズカーです。LS顔負けのオーラを放っています。
■どこから見ても美しいプロポーションです。ともすれば妖艶という響きも似合うかもしれません。特にルーフからリアガラスとともになだらかに下りリアエンドへ向かう曲線、斜め後方から堪能できるその景色は芸術的とも言えます。
■コックピットに乗り込みシステムをスタートすると、ハンドルとシートが設定位置に動いていきます。「パワーイージーアクセスシステム」とかいうやつですが、これが乗降性の向上に大きく寄与しています。
■アクセルを踏むと緩やかに転がり始めます。ECOモードでも街中であれば十分、Normalモードは少し強く感じるくらいです。エンジンは都度起動したり止まったりしますが、加速のリズムが乱れることもありません。この協調制御は老舗ハイブリッドのトヨタの面目躍如と言ったところでしょう。回生ブレーキは慣れです。
■乗り心地はとにかく快適の一言。たぶんマジェスタやLSのほうが足は柔らかいんでしょうけど、ドライバーズカーとしては適度に硬めの足の方が好感触です。16Wayのパワーシートも相まって、ホントに全然疲れません。
■FRなので思いの外小回りがききます。
■雨滴感知ワイパー、自動防眩ミラー、リバース連動ドアミラーといったいわゆる”高級車装備”は全グレード標準で一通り装着されています。
■セダンながら後部座席も広く使えます。当方身長174cmで座高が少し高めですが、ヘッドクリアランスも十分にあり長距離でも快適です。リクライニングは残念ながらありません。でもちょっと友達を乗せるくらいなら不満は出ないと思います、空調もシートヒーターも独立でありますしね。
■今どきの欧州車は「とりあえず全部タッチパネルにしました」「設定も何もかも全部メニューに組み込みました」的なことになっていて運転中なんて触れたものではないですが、このクルマは概ね物理スイッチで動かすことができます。エアコンもオーディオも直感的に操作できるのが好ポイントです。交通情報ラジオのスイッチだけはちょっと初見殺しです。
強いて「気になったところ」を挙げますが、それほど辟易しているわけではありません。
■やはり重さを感じずにはいられません。2AR+モーターはシステム出力220psで後輪を駆動しますが、トータルの重量が1800kg近くに達するためどうしてもECOモードで上り坂はかったるいです(登らないわけではないですが)。Normalに入れると割と改善します。
■高速のETC通過など、ローリング加速は正直「普通」といった感じです。胸のすくような加速感はあまりないかな…実用上十分ともいえます。首都高など速度差が激しい場面でも流れに乗ること自体は容易です。必要に応じてSPORT Sあたりに入れちゃいましょう。
■4880の全長はともかく、車幅1840ともなると狭隘路の離合や狭い駐車場ではなかなか気を使います。立体駐車場は横幅さえどうにかなれば今どきのラージSUV群よりはマシでしょう。
■この世代のリモートタッチは…お世辞にも褒められたものではありません。シフト操作の振動で勝手に動いたりしますしね。決定ボタンがサイドに追加されている後期型はマシな方です。
■シートヒーター/ベンチレーションスイッチは前席カップホルダーの更に奥に追いやられています。飲み物を置くと手出しができませんが、まあこれは全部クルマに任せておけということなのでしょう。
■最も気になるのは「ハザードスイッチの位置」です。通常他車ではハザードスイッチがある位置にこの時期のレクサス特有のアナログ時計が鎮座しており、ハザードスイッチはインストルメントパネルの中腹に追いやられています。これが押し辛いというか…近くに空調とデフォッガー・デフロスターのスイッチが密集しているので、ともすれば誤爆しかねないのです。人の乗降・サンキューなど都心ではハザードを多用する上にリアのワイパーがない本車種ではリアデフォッガーも頻繁に使用するものなので…これは数少ない明確な不満点と言えます。
■この世代(2015/11~2016/09)ではワイドFMが聴取できません。聴取可能になるのは2016年9月以降のモデルになります。
もともとの乗り換えきっかけが過走行になっていた前車の燃費及び乗り心地の悪化によるものでした。
以下は前車のマークX GR SPORT 250S(乗り換え時ODO17万7千キロ)と比較しての感想を含みます。
■乗り心地と燃費およびその他の維持費については圧倒的に良化しました。当然スポーティグレードとラグジュアリーグレード、純ガソリンV6と2.5直4HVの比較になるのでマークXには分が悪すぎますが…ガソリン代は半分だし、タイヤ代も19インチ低扁平と18インチでは価格ステージに差がありすぎます。しかもHVなので税制面でも優遇されます。
■マークXのほうが優れている点として「価格や車格の面で乗り回しやすい」「V6NAエンジンの優秀なフィーリング」「車体の軽さによるワインディングでの軽快さ」「リアシートの分割可倒機構」「豊富な収納」といったところが挙げられます。GS、なぜか収納少ないんですよね…サングラス入れもないのでバイザーに挟んでいます。
セダンなんて古臭い!時代遅れ!と思っている人も多いと思いますが、やはりクルマの基本のキって3BOXスタイルのオーソドックスなセダンだと思うんです。日本ではなかなか厳しいセダン市場ですが、単なる移動時間ではなく、ただの送り迎えではなく…剛性がどうとか後方からの衝突安全性がなんだとかそういう点ではなくて、利便性とか脇において、「クルマを所有する」「クルマに乗る」「クルマを眺める」という何気ない時間を特別なものに思わせてくれる。そういうセダンだと、所有してみて切に思います。
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新車時価格はメーカー発表当時の車両本体価格です。また基本情報など、その他の項目についてもメーカー発表時の情報に基いています。