長年の時を経て掘り起こしたタイムカプセル（１０－１３さんのクチコミ投稿）

当初は別の車を買う予定でしたが、たまたま置かれているのを見かけたこちらの車輌に心惹かれ、元の車をキャンセルして、こちらを購入しました。 それはあまりに奇跡的なコンディションであったため、その他の最新鋭の高級車でさえ霞んで見える位の代物でした。 奇跡的とはいうものの、部品の欠落、ダンパーのガス抜け、本革シートの擦れ・テカリ、濃色車特有の磨き傷・ウォータースポットが全周にあったりという、年式なりのマイナス点はありました。 それらを差し引いても、私にとっては心躍る魅惑の1台であったことに変わりはなかったため、購入することにしたのです。 今回のセルシオ納車に至るまでには、初代セルシオの開発理念にもあったように 『Yetの思想』 つまり、相反する２つの命題を両方クリアしなければならないという、二律背反の難題が課せられました。 私の車に対する細かくて妥協できない性格が、 『24年も前の旧い車を、ほぼ完璧な状態で納車をしなさい』 という、二律背反を生んでしまったのです。 大手の中古車販売店であれば、最初から聞く耳もたず、現状販売となったことでしょう。 しかし、こちらのお店では、はなから『できません、やりません』ではなく、私の細かな要望やわがままにも真摯に耳を傾けて頂けました。 また、最初に車を見たのは11月17日でしたが、今の車の車検との兼ね合い上、『年内納車』という第2課題をも課しました。 本当に細かい人だなぁと思ったことでしょう。 しかし、客と店員とが綿密に話し合い、密に連絡し合った結果、1台の素晴らしい初代セルシオが今月の12日に納車されました。 欠品パーツは純正工具以外全て揃い、擦れとテカリのあった本革シートも両者が払拭され、また、最懸念事項であったボディの傷とウォータースポットも、ボディに光をあててもほとんど判らないレベルにまで低減されていたのです。 その仕上がり具合はまさに、古き良きあの頃に戻ることのできる、1台の『タイムマシン』といっても過言ではないでしょう。 ここに、無理難題とされていた上記の二律背反が達成されたのです。 1人の客の細かいわがままに付き合ってもらえて、厭の一言もなしに不言実行することのできるお店は中々ないのではないでしょうか。 きっとそれは、車という商売道具を愛してやまないからこそ、できるものなのだと強く感じました。 『最良の自動車のコンシェルジュになりたい』 『車が好きな車屋さん』 その看板に偽りなし。 信頼できることのできる数少ない車屋さんであると自負します。 今回、最後まで私の担当をしてくださった方には、この場をお借りして感謝の意を表明するとともに、今後とも末長いお付き合いの程、よろしくお願いします。 本当に素晴らしい1台をありがとうございました。