シエンタ▲自動車・中古車に関する調査・研究を通じ業界の発展を目指すリクルート自動車総研が、調査データと独自の考察をお届け。今回のテーマは「最新の安全装備」について。トヨタ シエンタ(現行型)は全車で衝突回避支援パッケージの「トヨタセーフティセンス」を標準装備

中古車でも十分にかなえられる!? 「最新」の安全機能付きモデル

リクルート自動車総研が行う「中古車購入実態調査(2015~2021年)」では、クルマの購入理由に「最新の安全機能の付いたクルマが欲しかった」と答えた人が約1割に上っています。

一般的に安全機能と言われて想起するのは、CMで見るような衝突被害軽減ブレーキや、アクセル踏み間違い防止装置などでしょうか。
 

リクルート自動車総研グラフ

最新の定義は難しいですが、国産メーカーだと2015年頃から様々な安全装備が搭載され始めました。つまり2023年現在、初度登録から5年が経過した中古車を選んでも、イメージする“最新の安全装備”が手に入る可能性が高いということです。

ただし、今では標準で装備される機能も、少し前はオプションだったケースが多いので、物件選びの際は欲しい機能が付いているかどうかきちんと確認してください。
 

ステップワゴン ▲2015年4月に登場したホンダ ステップワゴン(5代目)。メーカーオプションながら安全運転支援システムの「ホンダセンシング」を装備

そんな市場の変化もあってか、ここ数年で安全装備を起点に車の購入を検討する人が、2倍から3倍近くまで増えました。

結果、約10人に1人が安全装備を購入のきっかけに挙げるほどにまで。不安を和らげてくれるテクノロジーの進歩は偉大ですね!
 

踏み間違い防止装置 ▲トヨタの一部車種では、後付けで踏み間違い防止装置を装着することも可能

もしもの備えも大事だけど、日々の運転を楽しめる機能もある

前述のとおり、「もしも」な状況が発生したときに手助けをする機能をパッシブセーフティと呼びます。希望して購入するものですが、使わずに済んだ方が良いですよね。

対して、そもそもの運動性能を上げて安全性を高めていくことをアクティブセーフティと呼びます。運転が不安な方はパッシブセーフティを求めがちですが、そもそも思いどおりに運転できたらもしもの状況に陥るケースは減るでしょう。

例えるなら、運動神経の良い人はけがをしにくいということです。
 

Gベクタリングコントロール ▲マツダの「G-ベクタリングコントロール」は、四輪への接地荷重を最適化してスムーズで効率的な車両挙動をもたらしてくれる機能

アクティブセーフティの良いところは、日々の運転でその機能を楽しめるところです。

例えば、ベクタリングコントロールという機能。ハンドルを切った分だけスムーズに曲がることを支援する機能ですが、カーブでの運転がうまくなります。

そして、楽に運転ができるということは疲れも軽減されます。お金を払った機能を日々存分に使って体感できるのは大きなメリットです。

もしもの備えに限らず、日々の運転をサポートする機能にもぜひ注目してみてくださいね。
 

文/西村泰宏、写真/阿部昌也、尾形和美、トヨタ、マツダ
西村泰宏(にしむらやすひろ)

リクルート自動車総研所長

西村泰宏

カーセンサー統括編集長 兼 リクルート自動車総研所長。自動車メディアを車好きだけでなく、車を購入するすべての人のエンターテインメントに変革すべく日々の仕事に従事している。