トヨタ スープラ ▲一部の外板パネルがカーボンパネルで制作されて、リアウイングが装着されたらこんな勇ましい姿のスープラに変身するだろう。フロントノーズには、現行をチューンナップされた3L直6ターボが搭載される

「まずはATで」の言葉のウラには

BMWとの協業でブランド復活が実現したスープラ。こういったスポーツカーは、購入希望者が買って需要が一巡すると、売れ行きが止まってしまう懸念がある。

そうならないためにもトヨタは、年次改良を行って話題性を保ちながら目新しいモデルを投入してユーザーの購買意欲を刺激する方針だ。どんなモデルが控えているのか。

トヨタは、スープラのデビュー後わずか1年でトップモデルに与えられている、3L直6エンジンが47psも出力アップを果たしている。2020年10月には、限定100台の「ホライズンブルーエディション」が導入されて、話題換起が図られる。

しかし、まだまだスープラには市場での注目を引きつけるための秘策が用意されている。ひとつは待望の3ペダルMTモデルだ。

デビュー直後からMTを望む声はトヨタに寄せられているが、関係者は口を揃えて「まずはATで乗ってみてください」とのコトバを返している。

現状の8速ATでも、十分に素早いシフトチェンジが実現できているとの自負があったようだがMT待望論が湧き上がるに連れて、検討と開発が始まった。

当初は、2L直4ターボに用意される方向だったが、3L直6への設定に変更。「まずはATで」とトヨタが返答しているのは、いずれMTが登場する暗示ともとれる。MTは2022年に加わる見通しだ。

これに続く秘蔵モデルとして、水面下で準備されているのがGRMNだ。
 

トヨタ iQ GRMN▲スーパーチャージャーが追加されて最高出力と最大トルクが30%以上も増強されたiQ GRMN。併せてクロスレシオMTや専用サスペンション、エアロバンパーなども装備された
トヨタ ヴィッツGRMN▲1.5L直4にターボチャージャーが追加されて性能アップが図られたヴィッツGRMN。5速MTや国内未導入の3ドアボディが組み合わされた。専用バンパーやスポーツシートなども装備されている
トヨタ マークX GRMN▲3.5L V6エンジンに6速MTが組み合わされ専用サスペンションや補強ブレース、トルセンLSD、CFRP製ルーフ、スポイラーが用いられて軽量化も図られたマークX GRMN
トヨタ 86 GRMN▲クロスレシオMT、軽量化に貢献するCFRP製パネルをボンネット、ルーフ、トランクリッドに採用。ポリカーボネート製ウインドウが採用された86 GRMN。エンジンはベース車より19psアップされている

ベース車の2倍以上にあたる1500万円で登場か

GRMNとは、トヨタが擁するGRシリーズの中で最高峰に据えられるチューンナップモデル。

スープラにもこのGRMNモデルを用意しようという思惑だ。説明するまでもなく現行スープラは、BMWとの協業で生み出された車で、パワートレインなどの基本コンポーネントにはBMWのものが使われている。

この方針は、当然GRMNでも変わりなくいっそうハイパフォーマンスを誇る限定モデルにもBMWのエンジンが奢られる。エンジンは、2020年秋に欧州デビューする次期M3、M4と同じユニットとなるようだ。

このユニットは、現行スープラに用いられているユニットのチューンナップ版で、最高出力は約100psアップの480psに達する。最大トルクも現行モデル比+150N・mの650N・mまで高められる。6速MTが組み合わされる見通しだ。

これまでのGRMNと同じくスープラでも生産台数は限られる。主要マーケットに投入される計画で、国内では100台が限定販売される。まだ流動的ではあるが、いまのところ1500万円前後に値付けされる模様だ。

余談ながら、トヨタは2022年の発売をめざしてGRスーパースポーツの開発も進めている。WEC参戦マシンのロードゴーイング版ともいえる同車が、新型コロナウイルスの影響で遅れてしまわないか気になるところだ。

※2020年8月28日現在における新型車の発表についての予測記事です。発表を保証するものではありません

【諸元・スペック】
■予想発表時期:2023年
■全長×全幅×全高:4380×1865×1290(mm)
■搭載エンジン:3L 直6+ターボ
 

text/マガジンX編集部
photo/マガジンX編集部、トヨタ