Q. 「30km/h以下ならぶつからない」と言われ、自動ブレーキ搭載の中古車を購入。しかし、30km/h以下で衝突事故を起こしてしまった。販売店の責任は問える?

「30km/h以下ならぶつからない」というセールストークを信じて、今話題の衝突回避ブレーキを搭載した中古車を購入。しかし、30km/h以下の渋滞で追突事故を起こしてしまいました。「ぶつからない」と言った販売店の責任は問えますか?

A. システムはあくまで運転の補助。たとえ故障していたとしても、基本的には事故を起こした運転手の責任でしょう。

「衝突回避ブレーキ」とは“必ず”止まることを約束する機能ではありません。あくまでドライバーのミスをカバーする「運転補助装置」なので、事故の責任は運転手にあります。例えば自動ブレーキ機能であるEyeSightを扱うスバルのサイトでは、「上記機能は、道路状況および天候状態、車両状態などによって、性能が発揮できないことがあります」との注意書きが記されています。

いくら店員が「必ず止まる」と言ったとしても、それを鵜呑みにするのは常識がないと言わざるを得ないでしょう。補助装置は補助装置として、あくまでも運転手の責任において運転する必要があります。

ちなみに、もしも購入時から同機能が故障していたことを証明できれば、瑕疵担保責任により自動ブレーキ機能に限定した修理代などの損害賠償については請求できる可能性があります。ただし、自分または事故相手の治療費や修理代、休業補償など、事故によって発生した損害は拡大損害に当たるので、ここまで請求することはできないでしょう。

ここがポイント!

自動ブレーキなどの安全に関わるオプションはあくまで運転補助。どういった条件で作動するかなど、自ら調べて納得の上で購入し運転すること。

■使える法律用語■

拡大損害(かくだいそんがい)
製品の欠陥によって人の生命や身体、またはその製品以外の財産に被害が発生した損害。例えば、パソコンが発火して、その火が元で燃えた物品などはこれに当たる